霊芝、ヤマブシタケ、サナギタケ、チャーガ、カワラタケの成分が母乳に移行するかどうかを測定した人はいません。授乳中の薬に関する標準的な資料である米国NIHのデータベース「LactMed」には、これらのいずれの項目もありません。唯一のアマニタの項目は、タマゴテングタケによる中毒に関するものです。つまり「このキノコサプリは授乳中でも安全か」への正直な答えは、研究されていない、ということです。ただしベニテングタケとテングタケについては、はっきり「いいえ」と言える十分な理由があります。
薬用キノコのサプリについて授乳中のデータはなく、英国の国民保健サービス(NHS)は、ハーブ製品が授乳中に安全だと保証できるほどの情報はないとしています。加熱した食用キノコは普通の食品で、問題ありません。ベニテングタケとテングタケは完全に避けてください。その成分は脳に作用し、中毒を起こした子ども9人の報告では4人がけいれんや筋肉のぴくつきを起こしました。霊芝、ヤマブシタケなどのサプリについては、授乳が終わるまで待つか、医師と相談して決めるのが最も慎重な選択です。
これは安全ガイドなので、ここで購入をおすすめするものはありません。あなたの状況を判断できるのは、かかりつけ医、助産師、保健師、薬剤師です。以下では判断の根拠を説明しますので、何を尋ねればよいかの参考にしてください。まだ妊娠中の方は、妊娠中のガイドをご覧ください。
授乳中のキノコサプリを研究した人はいるのか?
いません。米国国立医学図書館が運営するLactMedは、数千の薬やハーブが母乳中でどうなるかをまとめています。フェヌグリークやフェンネルといった一般的なハーブの項目はあります。しかし、霊芝、ヤマブシタケ、サナギタケ、チャーガ、カワラタケ、しいたけ抽出物の項目はありません。私たちのPubMed検索でも、薬用キノコの成分を母乳中で測定した研究は見つかりませんでした。
唯一のアマニタの項目は、ベニテングタケの成分ではなく、タマゴテングタケ(Amanita phalloides)の肝毒であるアマトキシンに関するものです。母親がアマニタ属のキノコを食べた後、授乳を受けた乳児2人に肝酵素の上昇が見られたと記載されていますが、詳しく記録された2例では母乳から毒は検出されませんでした。アマニタ中毒が疑われる母親は、回復するか母乳の検査が済むまで授乳を控えたほうがよいだろう、としています。
ハーブ製品に関するNHSの見解は簡潔で、ハーブ製品が授乳中に安全だと保証できるほどの情報はない、というものです。キノコサプリもこの分類に入ります。サプリメントとして販売されているため、発売前に授乳中の乳児への安全性を証明する必要はありませんでした。
なぜ「データがない」ことが慎重になる理由なのか?
乳児は大人とは違う形で物質を処理するからです。新生児は肝臓や腎臓が未熟なため、多くの物質をゆっくりとしか排出できません。親には何の影響もない量でも、小さな赤ちゃんの体には蓄積することがあります。だからこそLactMedは薬ごとに乳児へのリスクを具体的に示しており、「自然のものだから」は安全の根拠にならないのです。
ある物質が母乳に移行するかどうかは、分子の大きさ、血液中での結合のしかた、そしてそもそもどれだけ血中に入るかによります。βグルカンのような大きな多糖類は大人でも吸収されにくく、母乳への移行は少ないと考えられます。霊芝のトリテルペンやアマニタの作用成分のような小さな分子は、移行の可能性がより高いと考えられます。しかし、可能性があることと測定されたことは別です。どのキノコサプリについても、その測定がないのです。
実際的な点もあります。授乳中は、副作用の影響を受けるのは二人です。胃の調子を崩したり、睡眠を乱したり、産後に処方された薬と相互作用したりするサプリは、普段以上に問題になります。
なぜアマニタは完全に避けるべきなのか?
その成分が脳に直接作用し、幼い子どもがそれに明らかに敏感だからです。ベンジャミンは、テングタケ(8例)またはベニテングタケ(1例)を食べてシアトルの小児病院に入院した子ども9人を報告しました。ほとんどが幼児で、症状は30~180分以内に現れました。
子どもたちには中枢神経の抑制、ふらつき、意識の変動、幻覚、興奮が見られました。9人中4人がけいれんやミオクローヌスを起こし、抗けいれん薬による治療が必要でした。全員が完全に回復しています。これは母乳を介した曝露ではなく直接の摂取ですが、これらの成分が発達中の小さな脳にどれほど強く作用するかを示しています。
ムシモールやイボテン酸がどれだけ母乳に移行するかは誰にも分かりません。ムシモールは水溶性の小さな分子で、多くの鎮静薬と同じGABA受容体系に作用します。鎮静薬の場合、赤ちゃんの眠気や哺乳不良がよく知られた懸念です。アマニタがそれより穏やかだと考える理由はありません。
二つ目のリスクもあります。アマニタはあなた自身の覚醒度、協調運動、判断力を損なうことがあります。モスとヘンドリクソンによる中毒センターの検討では、消化器症状がベニテングタケの35%、テングタケの80%の症例に見られました。新生児の世話をしながら眠気や混乱、嘔吐に見舞われること自体が危険です。テングタケを避けるべき人とベニテングタケの副作用のガイドでも、授乳中は避けるべき理由として挙げています。
マイクロドーズならどうか?
同じことが言えます。少量でも母乳移行のデータがないことに変わりはなく、ロットごとの効力も正確には予測できません。妊娠前や妊娠中にアマニタを使っていた場合、再開するとしても、それは授乳を終えた後です。
主なキノコサプリはどう比較されるのか?
どれも授乳中のデータはありませんが、懸念の度合いは同じではありません。大人で分かっていることをもとに、私たちは次のように位置づけます。
| 製品 | 授乳中のデータ | 大人で知られている懸念 | 授乳中の基本的な対応 |
|---|---|---|---|
| 加熱した食用キノコ | 普通の食品 | ごく一部の人のアレルギー | 食べてよい |
| 霊芝 | なし | まれな肝障害の報告。血圧や血糖を下げる可能性 | 先送りするか医師と相談 |
| ヤマブシタケ | なし | 報告された問題は少ない。アレルギーの可能性 | 先送りするか医師と相談 |
| サナギタケ | なし | ホルモン関連の実験データ。血糖に影響する可能性 | 先送りするか医師と相談 |
| チャーガ | なし | シュウ酸が非常に多い。腎障害の症例報告 | 避ける |
| カワラタケ | なし | 主にがん治療との併用で研究 | 先送りするか医師と相談 |
| ベニテングタケ、テングタケ | なし | 精神作用あり。中毒の子どもでけいれん | 避ける |
| 「気分」「エネルギー」向けハーブブレンド | 成分による | 刺激物や作用の強いハーブを含むことがある | 全成分が確認されない限り避ける |
なぜチャーガは避けるべきリストに入るのか?
知られている問題が蓄積型だからです。チャーガはシュウ酸を非常に多く含み、長期使用後の腎障害の症例報告があります。2022年には韓国でシュウ酸腎症の症例が報告されました。このリスクは授乳中に限りませんが、今あえて負う理由はありません。詳しくはチャーガの副作用ガイドとシュウ酸の記事をご覧ください。
霊芝の肝障害の報告はどうなのか?
まれですが、実際にあります。発表された症例には、2004年の霊芝製剤による肝毒性や、2007年の霊芝パウダーに関連した死亡例があります。こうした報告で因果関係を証明するのは難しく、何百万人もの人が問題なく霊芝を使っています。しかし授乳中のデータがまったくない以上、大人でのまれなリスクも待つ理由の一つになります。症例については霊芝の副作用の記事で解説しています。
食用キノコは安心して食べられるのか?
はい。加熱したマッシュルーム、ヒラタケ、しいたけなど店頭のキノコは普通の食品で、授乳中にやめる理由はありません。食物繊維、ビタミンB群、そして紫外線を当てた品種では多少のビタミンDも摂れます。どの品種かはキノコとビタミンDのガイドで説明しています。
二つの常識的な注意点があります。しいたけはしっかり加熱しましょう。生や加熱不十分なしいたけは、むち打ち状のかゆい発疹「しいたけ皮膚炎」を起こすことがあります。また、自分で採らないことです。誤同定こそ、LactMedの項目にある致死的な種類を含め、人がアマニタを口にしてしまう主な原因です。
ビタミンDにも触れておきます。授乳中に日常的に推奨されている唯一のサプリだからです。NHSは、母乳で育てる赤ちゃんには、母親がサプリを摂っているかどうかにかかわらず、生後すぐから毎日8.5~10マイクログラムのビタミンDを与えるよう勧めています。これは赤ちゃん用のドロップで与えるもので、母親の食事やキノコで補うものではありません。
それでも飲みたい場合はどうすればよいのか?
習慣ではなく、意識的な判断にしてください。あなたと医師が、精神作用のないキノコサプリなら妥当だと判断した場合、次の手順でリスクをできるだけ小さくできます。
- まず専門家に相談する。かかりつけ医、保健師、薬剤師なら、服用中の薬との関係を確認できます。NHSが紹介しているBreastfeeding Networkの薬剤情報シートも参考になります。
- 単一成分の製品を選ぶ。ブレンドは不確定要素を増やします。実際の中身の確かめ方はキノコサプリのラベルの読み方で紹介しています。
- 汚染に関するデータを確認する。乳児が関わる場合、重金属やカビはより重要になります。重金属のガイドをご覧ください。
- 授乳が軌道に乗ってから始める。最初の数週間、特に早産児や病気の赤ちゃんの場合は、新しいものを加えるのに最も適さない時期です。
- 赤ちゃんの様子を見る。いつもと違う眠気、哺乳不良、発疹、下痢、ぐずりに気づいたら中止し、保健師や小児科医に伝えましょう。
- 自分の様子も見る。発疹、胃腸の不調、何らかの反応の兆候があれば中止してください。症状はキノコアレルギーのガイドにまとめています。
集中力、落ち着き、免疫のサポートなど、人々がキノコサプリに求める効果の多くは、数か月待つことができます。待てない場合は、サプリの棚の前ではなく、医師と話し合うべきことです。
よくある質問
授乳中に霊芝を飲んでもよいか?
研究されていません。霊芝の成分が母乳に移行するかどうかのデータはなく、NHSはハーブ製品が授乳中に安全だと保証できるほどの情報はないとしています。大人でのまれな肝障害の報告も、慎重になる理由の一つです。最も慎重なのは、待つか医師と相談して決めることです。
ヤマブシタケは授乳中でも安全か?
誰にも分かりません。NIHの授乳データベースLactMedにヤマブシタケの項目はなく、その成分を母乳中で測定した研究もありません。大人で報告された問題は少ないものの、それは授乳中の乳児にとって安全だという証拠にはなりません。飲む前に医師に相談してください。
授乳中にベニテングタケをマイクロドーズしてもよいか?
いいえ。その成分は脳に直接作用し、母乳への移行量は測定されておらず、幼い子どもは明らかに敏感です。ある病院の症例集では、アマニタを食べた子ども9人中4人がけいれんやぴくつきを起こしました。あなた自身が赤ちゃんの世話をする能力も損なわれるおそれがあります。
授乳中にキノコを食べても安全か?
はい、加熱した食用キノコは普通の食品です。しいたけ皮膚炎を防ぐためしいたけはよく加熱し、専門家が同定していない自分で採った野生のキノコは決して食べないでください。LactMedには、母親が有毒なアマニタを食べた後に乳児の肝酵素が上昇した例が記載されています。
キノコサプリで母乳の量は増えるのか?
増えるという証拠はありません。フェヌグリークなどの催乳作用があるとされるハーブは研究されていますが結果はまちまちで、キノコはその中に入っていません。母乳の量が心配な場合は、まず助産師や授乳の専門家に相談してください。
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参考文献
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